物価上昇に歯止めがかからない日本経済ですが、バブル崩壊後の1990年代から日本の賃金水準は上昇していません。労働者の給料が上がらず、生活費は増加している現状の日本では、定年を迎えても働かざるを得ない高齢者が増えてきています。
企業は定年後も働く意志がある高齢者に対して、再雇用制度を利用し雇用形態や労働条件の見直しを行い定年退職後に新たに雇用契約を結ぶところも多いです。
この記事では、再雇用制度の問題点についてや、定年後の働き方で5つの課題と改善策などについて紹介していきます。
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再雇用制度(継続雇用制度)とは?

企業で長年働き、定年後も雇用継続を希望する高齢者が増えています。企業側は、労働者が定年退職を迎えても雇用形態や労働条件の見直しにより、新たに雇用契約を締結し引き続き働いてもらう再雇用制度(継続雇用制度)を導入するところが増えてきました。
高年齢者雇用確保措置により、労働者の定年年齢を65歳未満としている事業主は次のうちどれかを実施しなければなりません。
- 定年年齢を65歳まで引き上げ
- 定年制の廃止
- 希望する従業員を対象とする65歳までの継続雇用制度を導入
また、2020年の高年齢者雇用安定法の改正により、2021年4月1日から継続雇用制度の対象年齢を70歳まで引き上げることが、企業側の努力義務となっています。
再雇用制度(継続雇用制度)を導入すると、企業側と労働者側には以下のようなメリット・デメリットがあります。
- 従業員の賃金水準を抑えられる
- 従業員の労働力やノウハウを継続して活用できる
- 従業員の退職による担当替えをすることなく顧客の信頼を維持できる
- 新たに労働者を確保しなくて済み採用や教育にかかる人件費を削減できる
- 勤務時間が短縮されるため仕事とプライベートが両立しやすい
- 定年退職後も収入が途切れる心配が無い
- 年金受給資格を得られるまで働ける
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- 雇用形態や労働条件の見直しにより労働者のモチベーションが低下
- 会社に対して問題がある高齢者を継続雇用することで、生産性が低下
- 役職者が嘱託社員になる場合は、定年前と比べて収入が減ってしまう
- 賃金が減少してしまう
- 仕事内容が変わると適応できるまでに時間がかかる
再雇用制度の種類
再雇用制度には、以下の種類があります。
1.定年後再雇用制度(継続雇用制度)
「定年後再雇用制度(継続雇用制度)」は、定年退職した従業員を引き続き雇用し期間を定めた労働契約を締結する制度です。企業側が勝手に雇用形態や労働条件の変更はできません。
従業員が定年を迎える前に、定年後も継続雇用を希望したいのか意思確認を行い、再雇用の条件を話し合いを進めながら決めます。
2.勤務延長制度
「勤務延長制度」は、定年年齢となった労働者を退職させずに、引き続き雇用期間を延長する制度です。定年後再雇用制度は、従業員と企業が話し合いを進めながら雇用形態や労働条件の見直しを行いますが、勤務延長制度では労働期間だけが延長されます。ですので、仕事内容や給料、肩書き、役職などは基本的には変わりません。
3.出戻りでの再雇用制度
「出戻りでの再雇用制度」は、子育てや介護等で離職した人や、別の会社に転職した人材、事業主となった人などを対象に、出戻りを許可する制度です。出戻りでの再雇用制度は、働く企業によって制度名に違いがあります。
定年後再雇用制度の5つの問題点と改善策

企業側は、原則として従業員が定年退職をした後も継続雇用を希望した場合、必ず再雇用を実施しなければいけません。ただし、解雇に相応しい正当な理由が認められる時には、再雇用を拒否することができます。
再雇用制度を導入している企業で働いている高齢者の従業員は、定年後も安心して働けるのですが5つの問題点があります。
【定年後再雇用制度の5つの問題点】
- 高齢者になった従業員の健康不安
- 定年後に雇用延長する従業員の選抜を行えない
- 高齢者の職業能力低下による適切な作業環境整備の難しさ
- 労働条件の引き下げ原則不可で給料・退職金など人件費増加
- 再雇用制度により従業員が待遇面に不満をもつ恐れがある
定年後再雇用制度の5つの問題点と改善策について、わかりやすくお伝えしていきます。
1.高齢者になった従業員の健康不安
定年を迎えて働く従業員は、高齢化に伴い若い人よりも体力的な衰えがあったり、病気のリスクも増えるため健康不安が問題視されています。
2.定年後に雇用延長する従業員の選抜を行えない
従業員が定年後も雇用延長を希望した場合、新たな人材確保が簡単にはできず、従業員の入れ替わりが少なくなってしまいます。定年退職を迎えても働く意志がある従業員は、企業は引き続き雇用する義務があります。
また、今まで正社員として働いていた労働者から継続雇用の希望があれば、必ず65歳までは仕事ができるようにしなければいけません。
3.高齢者の職業能力低下による適切な作業環境整備の難しさ
若い従業員と比べて、高齢者の従業員は今まで培ってきたスキルや知識は高い水準でしょう。しかし、体力的な衰えや新たな仕事を覚えるのが苦手になり、職業能力が低下してしまう恐れがあります。高齢者の従業員の身体的機能の低下によって、適切な作業環境を整えることが困難になるかもしれません。
4.労働条件の引き下げ原則不可で給料・退職金など人件費増加
定年後再雇用制度を導入した企業は、定年退職を迎えても働く気持ちがある従業員に対して、労働条件の引き下げは原則不可です。そのため、給料や退職金など人件費が増えてしまいます。
5.再雇用制度により従業員が待遇面に不満をもつ恐れがある
再雇用制度により、今まで正社員として仕事をしてきた従業員が定年後に働く場合、嘱託社員、アルバイト、パート、契約社員など雇用形態が変更します。働き方が変わると、勤務日数の減少、時短勤務、賃金水準の低下などにより正社員の時と比べて収入が下がるので、従業員が待遇面に不満をもつ恐れがあります。
まとめ

再雇用制度は、定年後再雇用制度(継続雇用制度)、勤務延長制度、出戻りでの再雇用制度などの種類があります。企業に勤める労働者の定年は65歳と義務付けられていますが、70歳までの引き上げを企業側の努力義務となっています。
高齢になった従業員が、定年後も安心して仕事ができるようにするためには、企業と従業員の双方が継続雇用の条件について話し合い不満やわだかまり無く合意して働いてもらうことが大切です。
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