地方を取り巻く環境は、少子高齢化の急激な進行、デジタル化の推進、人口急減など様々な要因が重なり大きく変化しています。ビジネスにおいては、地方から多くの若者が地元を離れて首都圏や、都市部に良質な雇用を求めに行き、地方の過疎化が進んでいます。
地方の若者の人口が減少すると、地方企業は求人募集をしても求職者が集まりにくくなるため、人材採用が難しくなってしまうのです。地方企業のなかには人材の獲得に苦戦していて、どのような採用活動に取り組むべきなのか悩んでいるところもあるのではないでしょうか。
この記事では、地方企業の人材採用の現状や、重要な5つの採用課題と対策、採用成功のポイントなどについて解説していきます。
地方企業における人材採用の現状
地方の若者流出により、地方企業の多くが若年層の採用に苦戦しています。日本全体で労働人口自体が減少している現状ですから、全国的に人材獲得競争が起こっています。有効求人倍率が高まり、求人募集の数の方が求職者の数よりも多くなっているため、求職者が仕事を選り好みしやすい状況です。
そのため、地方企業は人材採用が円滑に進まない事態も起きています。地域による賃金格差も雇用に大きな障壁となっており、首都圏や都市部の企業の方が地方企業よりも給与が高い傾向があるので、若者の地元離れが進んでいます。
地方企業に課された重要な5つの採用課題

ここまでで、地方企業の人材採用の現状をお伝えしてきましたが、人材獲得が円滑に進まない事態が起きていることをお伝えしてきました。次に、なぜ地方企業が採用難に陥っているのか疑問に思うでしょう。
本章では、地方企業の重要な5つの採用課題を解説していきます。
- 自社の採用基準が曖昧になっている
- 地元にしか求人情報が認知されていない
- 人材の母集団が不足している
- 地方で働く魅力をアピールできていない
- 転職予備軍に効果的なアプローチができていない
1.自社の採用基準が曖昧になっている
地方企業が人材採用に苦戦するのは、採用者のターゲティングや採用戦略が、明確に定まっていないことが考えられます。つまり、自社の採用基準が曖昧で抽象的な求人募集を出しているから、求職者に適切なアプローチができず、応募したくなる求人内容になっていないため、求職者に響かないのです。
自社が求める人物像を具体的にするために、ペルソナ設定やターゲット設定を行う必要があります。採用ペルソナや採用ターゲットが明確になると、求職者の心に響く求人内容を訴求しやすくなります。その結果、求人広告で適切なアプローチをかけることができ、自社が求める理想の人材から応募が集まりやすくなるでしょう。
2.地元にしか求人情報が認知されていない
世の中のデジタル化が進み、誰でも簡単にインターネットが利用できる時代です。全国各地の求人情報を求職者は、ネットを使って検索できるため昔と比べて視野が広くなっています。地元の人材に絞って求人募集をかけて、全国にいる求職者にアピールできていないのは、雇用の機会損失になりもったいないでしょう。
社会人の終身雇用制度が崩壊し、転職市場が活発化しているので転職希望者も全国にたくさんいます。地方企業は採用戦略で、地元の人材だけではなく全国の求職者にUIターン就職・転職のメリット、リモートワークでの働き方などをアピールしていくと、各地から応募者が集まる可能性があります。
3.人材の母集団が不足している
地方の過疎化が進み、首都圏や都市部と比べて労働人口が減少している現状があるため、人材の母集団が不足しています。母集団が不足しているのに加えて、採用条件に高いハードルを設定すると、なかなか地方企業が求める人物が集まらず人材採用に苦戦を強いられるでしょう。
人材の母集団を増やすためには、中途採用活動に力を入れることが大切ですが、今すぐ転職を希望する転職予備軍だけにアプローチをかけるのは効率的だとは言えません。今すぐではないが近い将来、転職を視野に入れている考えを持つ転職潜在層にも、効果的なアプローチをすることが重要です。
4.地方で働く魅力をアピールできていない
地元の求職者に、地方で働く魅力や自社に入社するメリットを十分にアピールできていないと、競合他社に人材が流れてしまいます。
地方企業で求職者の支援制度の充実を図ったり、自治体と協力してUIターン就職・転職者の支援制度、移住者の支援制度などを設けたりするのも人材の確保に効果的です。求職者が地方で働く魅力を、上手くアピールできると応募意欲を高めることに繋がります。
5.転職予備軍に効果的なアプローチができていない
社会人の終身雇用制度が崩壊し、転職市場が活発化している現在、1社で定年まで勤める人材は少なくなっています。転職者の数は増加傾向です。転職を考えているけれども具体的に行動していない人材は意外にも多く、顕在層以外へのアプローチも視野に入れなくては、広範囲からの採用応募は見込めません。
地方企業のなかには、転職予備軍に効果的なアプローチができなくて、人材採用難になっているところもあります。
地方企業が効率的な人材採用を行うためには、転職予備軍や転職潜在層へのアプローチが欠かせません。自社の商材の魅力を宣伝するために、WebサイトやSNSを使って色々なマーケティング施策を行い、リード獲得に注力している地方企業もあるはずです。求職者に対しても、様々なウェブマーケティングを行うことで、オンライン上から全国に自社の求人情報をアピールできるため、応募者が増える可能性があります。
地方企業が応募を集め成功するためのポイント

地方企業の人材採用の課題と解決策を提示してきましたが、自社の採用活動を効果的に行うためには、下記のポイントを参考にして取り入れてみましょう。
本章では、地方企業の採用成功のポイントを解説していきます。
- UIターン求職者の採用に力を入れる
- オンライン面接を導入する
- 採用広報的に自社の魅力を発信する
- 社内にもリファラル(紹介)の募集をかける
- 働き方の多様化を図る
1.UIターン求職者の採用に力を入れる
地元の人材だけを人材採用のターゲットにするのではなく、視野を広げてUIターン求職者や、移住者の採用に力を入れることで人材の母集団を増やせます。求人の応募者が増えると、多くの採用選考ができるため、自社の求める人材の確保に成功しやすくなります。
2.オンライン面接を導入する
地方企業は、オンライン面接を導入すると求職者は、わざわざオフィスや面接会場に足を運ばなくて済むため、交通費や移動時間を考える必要がなく負担が軽くなります。応募のハードルが下がると、求職者は応募しやすくなるため採用の間口が広がります。
3.採用広報的に自社の魅力を発信する
採用広報の活動で、ただ自社で働く魅力だけを抽象的な内容で発信しても、求職者の心は掴みにくいでしょう。どうしたら、求職者が自社に興味関心を持ってくれるのかや、従業員になることで、どのような社会人生活を歩めるのかなど、ポジティブな未来をイメージさせるベネフィットなどの観点を持って情報発信していくことが大切です。
4.社内にもリファラル(紹介)の募集をかける
従業員に自社で働いてもらいたい人材、あるいは働きたい意思がある人材がいないか相談し、リファラル(紹介)の募集をかけることも人材採用に有効です。実際に、求人応募から採用した人材よりも、社員からの紹介で採用した人材の方が、会社を良く知り働き方も従業員から聞いて納得したうえで入社してくれます。そのため、長い目で見て会社の戦力になってくれる可能性は高いです。
紹介者から事前に人材の評価をヒアリングできるため、業務適正の有無を見極めやすくもなるでしょう。
5.働き方の多様化を図る
従業員の副業を解禁している企業も増えてきました。人材採用の間口を広げるために、正社員以外の雇用形態の選択肢を求職者にアピールするのも、人材獲得に効果的です。例えば、業務委託・副業・契約社員・派遣社員・アルバイトなど、働き方の多様化を図ることで、求職者はライフスタイルを重視した労働ができるため、応募者が増える可能性があります。
まとめ
地方では若者が、首都圏や都市部へ流出すると共に、少子高齢化の影響もあり人口急減で過疎化が進んでいます。地方企業のなかには、人材採用に共通の課題を抱えたままで、改善方法がわからないところもあります。
- UIターン求職者の採用に力を入れる
- オンライン面接を導入する
- 採用広報的に自社の魅力を発信する
- 社内にもリファラル(紹介)の募集をかける
- 働き方の多様化を図る
上記でお伝えしたポイントを、意識することで課題解決に繋がり、多くの求職者を獲得できる可能性があるので、自社の採用活動に取り入れてみてはいかがでしょうか。





