大手各社の新春広告に着目してみると…
日本経済新聞の2023年元旦の朝刊はご覧になりましたか。
第1面では時代の流れが見通せます。
1つ着目してほしいのは、
日経に限らずですが、大手企業の新春広告。
各社の今年伝えたいメッセージ、
1年の抱負やビジョンが掲載されています。
例えば、「もっともっとおもしろく」。
各社が工夫しており、興味深いです。
芸術家・草間彌生氏とコラボした
ルイ・ヴィトンの紙面を包み込むラッピング広告も印象的でした。
広告効果を狙うのは当然ですが、
「自社は今年こういう方向に進んでいきます」というビジョナリーなものを宣言している。
世の中に伝えるのと同時に、
社内に対しても伝えていく効果があり、必要性があるわけで、
大手各社はその内容を去年のうちに考え、広告新聞に載せることをするのです。

自社のビジョンをどう打ち出すのか
新年の挨拶で社長に
「今年はどんなことをやりますか?」
と聞くと「いや、これから社員と決めますよ」。
明らかに遅いですよね。
経営者が決断していないのは、2023年という
マラソンのピストルが鳴ったのに、まだスタートしていないのと同じ。
大企業では昨年中に考え、「今年はこう走ろう」と事前に決め、
お金を投資してまで元旦に大きな広告を打ち出しているのです。
そこで、よく「ビジョンとは何か」と聞かれます。
経営理念は揺るぎのないものですが、
ビジョンとは世の中や会社をどう変えていくのか。
どのような景色を社会や社員に見せたいのか。
今年の戦略は結局、何をやって何をやらないのか、
会社の資源「ヒト・モノ・金」をどこに投資していくのか。
その棚卸し方法として、
多くの戦略フレームがある中で、原点はSWOT分析です。
自社の強みが何で、弱みは何か、
脅威(競合)は?その中で導き出せる解は?の分析が基本です。

経済より自社業界の動向に着眼すべし
また、毎年よく聞かれるのは「今年の経済どうですか?」。
経済予測も大事ですが、携わる業界別の大きなうねりを読んで、どう対策を取るか。
例えば、法律が変わる、新しい技術が開発される、
テスト的に行われていたものが実装される、など。
具体的には一例で、1月5日の日経夕刊記事「就労訓練にメタバース」は、
私が役員を務める日本教育総合学校の就労移行支援事業の会議で話題になりました。
業界の中で新しい動きがあり、他にも枠組みが変わるかもしれない。
その変化をどう捉えて、自社の強みと、どのようにかけ算をしていくのか。
それが各社のビジョンとなり、大手の場合は新聞広告を出す。
現段階でビジョン設定ができていない、
遅いと気付けるのであれば、まだ挽回は可能です。

フルマラソン42.195 kmはどこがゴールなのかが明確なので、苦しくても走る。
ゴールのないマラソンをやるか…走らないでしょう。
よって、社員にやる気を持ってほしい、前向きに取り組んでほしい、
もっと会社のことを考えてほしいと経営者が思うのであれば、
社員が納得し、心が震えるようなビジョンや目標設定をするのがトップの責務です。


