今回は、カリスマ編集者・中西謡さんとの対談の前編。
経営者が思い描く姿を実現するには、社長や会社を発信する「バイブル」が欠かせない。
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社内に出版社!ダイレクトに伝える必要性
松尾(松):本を出したい社長は周りに多いが、出版はやはり厳しい?
中西(中):ビジネス書の刷り部数も、新人の著者が活躍する機会も減っている。出版業界全体が少し厳しい状態ではある。
松:ベストセラーは狙える?
中:すごく厳しい。書店の数も激減し、本を買う人が減っている。「ベストセラーを狙って作りましょう」と言っても、結局そこまで刷れない。本の売れる部数が減り、特に若い人の本離れも現実。今までと違ったやり方を考えていかないといけない。
松:なるほど。メディアとして紙媒体の限界が来て、もう1つは販路として、自社や自分の考え方を伝える経路としての出版もちょっと考えた方がいいと。

中:出版社を通すと、自分の考えを伝えることに関して遠回りになる。出版は企画書を作って、出版社で企画会議があり、それが通って本を書くという流れがある中で、結局今は、どれだけ著者に力があり、インフルエンサーとして売れるか、そういう目で著者は見られ、その出版企画が通らないことは多々ある。それよりも自分たちで書いて、自分たちで出し、という出版活動が今、電子書籍で、個人でできてしまう。
松:出版は個人寄りのコンテンツになっている。
中:一方で自費出版は、実際に大手出版社から出すとトータルで1,000万円級。本がステータスとか、誰もが本を読むとかは過去の昭和の感覚。ましてや若い人は本を買わない。届けたい人に届けるためには、情報発信の仕方としては変えていくべきで、例えば新卒社員に、社長の考えや会社の存在を伝える時に、ホームページを見させてわかる話でもない。1つ言えるのは「1社1社が出版社」。その出版社は本屋流通が前提ではなく、社長の考えや会社のあり方を情報発信する際、各企業が出版機能を持てば遠回りにならない。
松:もはや自前でできる時代。1社1社の中に、小さくても自分たちの情報を確実に届ける出版機能。
中:それが電子書籍。大事なことは情報発信で、広報部のような感じ。大手に限らずどんな企業でも、各社が小さな広報部、編集部という機能を持つ。そうすることで、書店で見つけてもらわなくても、伝えるべき人にダイレクトに情報が伝わる。遠回りをしない。
松:それができれば人材も集まり、会社が大きくなる。
(次回へ続く)
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