企業の多くが従業員の働きぶりを定期的に人事考課(人事評価)で評価をしています。評価の基準は従業員の処遇・昇進などを決める重要な指標になるので、曖昧ではいけません。評価基準を明確にして、客観的な視点で人事考課(人事評価)をする必要があります。
そのため、従業員の仕事に対する知識・技術を評価する時に、相対評価・絶対評価の2つの評価方法を取り入れるところが増えています。評価方法によっては、評価者ごとに評価のバラつきが発生しやすくなるので、相対評価・絶対評価の基礎知識や相似点を理解したうえで、従業員に公平な対応をすることが大切です。
この記事では、絶対評価と相対評価の概要と違い、人事考課への重要性などについて解説していきます。
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企業における絶対評価とは?
企業における絶対評価とは、従業員同士を比較して順位をつけることなく、個々の仕事の能力に応じて評価する評価方法です。事前に決めた目標設定の達成度合いを評価します。
例えば、営業職であれば営業成績やタスク、仕事の難易度などにより5段階の達成基準を設定して、クリアできた従業員を5評価とし、未達成者を1評価にするとして評価をします。
絶対評価を人事考課(人事評価)に活用することで、評価基準が明確になり従業員の仕事の成果や取り組み方を公平に評価できます。それにより、従業員は目標達成に向けてスキルアップやモチベーションの維持に繋がりやすいです。
会社における絶対評価は、MBO(目標管理制度)による評価が多く活用されており、従業員の仕事の達成度合いによってS~Eに振り分けて評価をします。
しかしながら、高い評価を貰った従業員がたくさんいた場合、昇給を誰にするのか迷うことになったり、仕事内容や評価者によって評価のバラつきが出やすく、公正な判断が難しいケースがあるといった課題もあります。
企業における相対評価とは?
企業における相対評価とは、従業員が会社という組織や集団内でどの位置にいるのかによって評価を行う評価方法です。
例えば、S評価を受けた従業員は社員全体で5%、A評価は10%、B評価15%、C評価30%などといった割合に振り分けていくことです。相対評価を人事考課(人事評価)に活用すると、偏りが出たりせずバランス良く評価ができるため、一昔前は企業でよく用いられていました。
しかしながら、最近では従業員ひとりひとりの働きぶりや意欲を公平に評価する、絶対評価を使う企業が増えています。相対評価は評価を受ける従業員が社員全体のどの位置に順位づけされているのかを明確にすることで、昇給をコントロールできたり、人件費の上昇を抑えられたりといった役割があります。
また、相対評価を活用することで、社内で従業員達の協調性や仲間意識を高めたり、競争意識を強め企業利益の向上を目指すといった目的もあるでしょう。
絶対評価と相対評価の違いとは?

従業員の人事考課(人事評価)の時に、絶対評価と相対評価のどちらを採用しているのかは企業によって異なります。
- 絶対評価=従業員同士を比較して順位をつけることなく、個々の仕事の能力に応じて評価する評価方法
- 相対評価=従業員が会社という組織や集団内で、どの位置にいるのかによって評価を行う評価方法
上記のように、絶対評価と相対評価は大きな違いがあることが理解できます。
つまり、絶対評価は従業員ひとりひとりを対象に評価していますが、相対評価では会社という組織・集団内で社員が定められた評価基準の上位何%、あるいはどの層に入るのかという大枠で捉えられているのです。
その他にも、会社における絶対評価と相対評価の違いは、以下のようなことがあります。
1.比較対象の違い
絶対評価・相対評価は比較対象の違いがあります。
会社の人事考課(人事評価)の時に、相対評価は順位を基準としているので比べるのは他の従業員です。一方で絶対評価は、従業員自身に期待される仕事のスキルや成果・意欲などと比較して現状はどうなのかを評価します。ですので、比較対象は自分の理想状態です。
2.各評価に割り当てられる人数の違い
絶対評価・相対評価は各評価に割り当てられる人数の違いがあります。
相対評価の場合、従業員の評価をする位置づけを行った際に、予め各評価に割り当てるられる人数が決定しています。そのため、例えばMBO(目標管理制度)のS~E評価を用いるとすれば、従業員全員をS評価にするということは起こりません。
相対評価ではS評価5%、A評価10%、B評価15%、C評価30%など各評価に割り当てられる人数が決まっています。絶対評価では、今ある基準に従って評価を決定するので、従業員全員がS評価を貰える可能性があり、各評価に割り当てる人数は明確には決められていません。
3.個々の頑張りによって評価が上下する違い
絶対評価・相対評価は、従業員が個々の頑張りによって評価が上下する違いがあります。
会社で働いている人は、全員が同じ仕事量をこなしたり成績が良いわけではありません。成績が良い人、悪い人で分かれるものです。成績が悪い人と比較して、平均以上の集団内に入ることができれば、ある程度、評価は良い方向に固定されるでしょう。
相対評価は、従業員の個々の頑張りが認められにくい傾向があるので、人によっては理不尽な評価を受けたと感じる恐れもあるのです。絶対評価の場合は、従業員ひとりひとりの目標の達成度合いを評価基準としているので、個々の頑張りによって評価の上下の波が激しくなる可能性があります。
人事考課(人事評価)に重要なのは絶対評価・相対評価のどっち?

会社の経営者は、従業員の人事考課(人事評価)の時に、絶対評価・相対評価のどちらを用いるのかは悩みどころでしょう。絶対評価を活用すると、従業員ひとりひとりの働きぶりや意欲にフォーカスできるので、社員のモチベーションや成長意欲の向上が見込めます。
相対評価で評価をしていると、従業員がレベルの高い集団やチームに属していた場合に、個々の頑張りではなく周囲と比べるため公正な評価が受けられなくなってしまいます。人事考課(人事評価)は、「業績項目・能力項目・成果項目・情意項目」の4つの評価項目を用いて、従業員を総合的に評価することが、公平な評価をするうえで大切です。
会社における絶対評価・相対評価は、どちらを活用するにしても従業員に対して公平な評価ができなければ意味がありません。そのためにも、経営陣や上司は部下と定期的にコミュニケーションを図って、信頼関係を築いておくことが重要です。
絶対評価・相対評価は、どちらもメリット・デメリットがあるため人事考課(人事評価)で重要なのは、自社に合った評価制度を作成することです。
まとめ
絶対評価・相対評価を会社で活用する場合、どちらが自社に合っているのか判断に迷う経営者は多いでしょう。評価方法によっては、従業員のモチベーションの低下や不満を抱かせる結果になってしまう恐れがあります。
相対評価・絶対評価の概要や違いを把握し、自社に合った評価制度を作って人事考課(人事評価)の際は従業員に公正な評価をしていきましょう。
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